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ラオス地域人類学研究所


 
事業推進担当者


 西村正雄
 川原ゆかり

客員研究助手


 砂井紫里
 

ご紹介

 ラオス地域人類学研究所は、1998年に設立された。設立目的は、ラオスを中心とした、東南アジア地域の人類学的研究を促進することである。本研究所が焦点をあてているラオス南部は、その重要性にもかかわらず、まだ総合的な人類学的研究が進んでいないことから、研究の活性化が重要な課題となっている。このため、COE参加に際して、できるだけ多くの若手研究者の関心を集めて、典型的な周辺部からの文化の分析によって、COEプログラムの主テーマに貢献できるものと考えている。
代表顔写真 代表:
 西村正雄

研究概要

 研究は下記の2つの分野で行われている。

1) 文化人類学的研究
 ユネスコの世界遺産登録に伴う諸問題の本質を見極め、解決策を見出して行くことが最終目標。研究の中心は、世界遺産登録の地域住民へのインパクト研究である。そこに暮らす人々が、どのように「遺産」を認識して、それを扱ってきたのか明らかにするため、世界遺産指定地域内52村落と、指定地域に隣接する他50村落を加え、合計94村落で調査を行っている。

2) 人類学的考古学的研究
 地域は、3―5世紀からの人々の生活全般にわたる活動が、そのまま保存されてきた場所である。現在、遺跡の空間分布のパターンを、都市遺跡内の機能の空間分析;都市遺跡と他の遺跡との相関関係の空間分析を通して明らかにしようとしている。またそれらの立地から、環境への適応バターンの分析を行なっている。

教育方針

 次の3つの教育方針をたてている。

1) 大学院生の教育
 基礎理論構築のための指導。また、それぞれのフィールドワークの視点を確立するための指導。

2) ラオスのカウンターパートの教育と、専門的知識の還元
 ラオス国立大学の学生、ラオス政府の情報-文化省にいる政府関係者のフィールドトレーニング、および、早稲田大学の大学院における研究指導。

3) フィールド地域の住民の教育と知識の還元
 3つ方法で実施する
a) 最初の成果発表は、東南アジアの雑誌、学会で行なう
b) 発表成果のコピーを、現地におく
c) 成果を口頭で分かりやすく説明する場と機会をつくる。

いままでの活動報告

1) 2003年1月、インドネシアにおける学会で現在までの研究成果と、拠点形成にあたっての今後の研究方針の発表。

2) 研究に関する文献収集と、今後の調査活動のためのモデル構築。

3) 早稲田大学大学院生に、研究所の理論的立場にたって、各自の研究計画の作成を促した。

4) 2003年1月28日-2月4日:チャンパサックにて、フィールドワーク準備。COE関連研究調査の説明、また、新助手を政府関係
者に紹介。中央政府、地方政府からの新たな調査許可証の取得。

5) 2003年3月10日-21日:助手を中心に、チャンパサック州で、早稲田大学学生、大学院生、ラオス国立大学学生の合同フィール
ドトレーニングの実施。

6) 2003年3月10日-21日:村落調査、無形文化財調査の実施。

いままでの活動報告

平成18年度 年間報告

 昨年度に引き続き、その土地の人々の空間認識、ものとの繋がり、人と人の繋がりから、地域概念を再考するために、集合的記憶の問題を焦点としてラオス、チャンパサック地域におけるフィールドワークを実施した。その成果をCOE関連シンポジウム「アジアにおける人類学的調査 −ラオスを中心として−」(2006年12月9日)で報告を行ない、特集として 『早稲田大学文学部文化人類学年報第3巻』を現在編集中である。

 教育活動では、博士論文執筆指導およびそれに向けてのフィールド調査指導を行った。チャンパサックのフィールドワークでは、本学大学院生とラオス人若手研究者、本学および国立ラオス大学の学部生の共同調査とし、研究・教育活動を行った。


平成17年度 年間報告

 「地域」概念の理論構築−その土地の人々の空間認識、ものとの繋がり、人と人の繋がりを明らかにするために、集合的記憶の問題を中心に、ラオス、チャンパサック地域においてフィールドワークを実施した。生活の資源獲得領域に関する調査および物質文化から見た生活一般の記憶については質問票による調査を、チャンパサックの人々が、遺産をどのように語ってきたのか、そしてその記憶をどのように共有してきたのか、ランドスケープ、生活一般、音、食物(味)の記憶についてはインタビュー調査を行った。COE関連シンポジウム「ラオスとその周辺における遺産・モノ・生活」(2005年11月19日)で中間報告を行ない、その成果の一部を特集として 『早稲田大学文学部文化人類学年報第2巻』を発行した。

 教育活動では、博士論文執筆に向けてのフィールド調査指導とともに、ラオス人若手研究者について中央政府、地方政府それぞれの情報文化省の若手職員を研究活動に招き、チャンパサックのフィールドにおいて研究・教育活動を行った。早稲田大学の学部学生と国立ラオス大学社会・歴史学部、国立ラオス大学パクセ校、環境学部、観光学部との共同ゼミを実施すると共に、指導には早稲田大学大学院生をあて大学院生の教育研究指導も兼ねた。

 社会活動として、チャンパサックの住民への研究成果の還元を目指し、寺院を利用して遺産についての考え方を示した。文化遺産保全を教育してゆく場としての現地での小学校建設計画では、新しい小学校建設のためのNGOパートナーの選定作業、資金集めの計画、設計図の作成作業を行なった。


平成16年度 年間報告

 ラオス、チャンパサック地域の歴史的プロセスにおける文化変動のプロセスと仕組みを明らかにし、地域の文化がより大きな文化と接触することによる相互作用を検証することを目指した。ローカルノーレッジ、ローカルテクノロジーの資料化と分析のためのフィールド調査を実施。 村落の物質文化調査と並んで、ランドスケープ、生活の記憶、音の記憶、食物(味)の記憶の調査を集中的に行い、COE関連シンポジウム「ラオス、ワット・プー地域の文化人類学:文化遺産、記憶、地域文化」(2004年10月9日)で中間報告を行ない、その成果の一部を特集として 『早稲田大学文学部文化人類学年報第1巻』を発行した。
 教育活動では、博士論文執筆に向けてのフィールド調査指導とともに、ラオス人若手研究者について中央政府、地方政府それぞれの情報文化省の若手職員を研究活動に招き、チャンパサックのフィールドにおいて、マンツーマン形式の個人指導の形で、研究・教育活動を行った。 2004年度は、特にデジタル資料化の技術的指導を強化した。早稲田大学の学部学生と国立ラオス大学社会・歴史学部、国立ラオス大学パクセ校、環境学部、観光学部との共同ゼミを実施すると共に、指導には早稲田大学大学院生をあて大学院生の教育研究指導も兼ねた。
 社会活動として、チャンパサックの住民への研究成果の還元を目指し、寺院を利用して遺産についての考え方を示し、昨年度の調査報告を行なった。その作業のなかで、その価値を強調した。また、小学生への教育の機会を作るため、遊びを通して、文化遺産とチャンパサックの文化の意義について教育した。


平成15年度 年間報告

 フィールド地域の社会−政治的状況、およびその周辺化プロセスを明らかにすることを目指した。ラオス、チャンパサック県のワット・プー世界遺産地域においてフィールドワークを実施。 生活の資源獲得領域、生活一般、音、味の記憶について、質問票およびインタビューによる調査を行なった。
 教育活動では、早稲田大学大学院生とともに、ラオスをフィールドとする他大学所属学生を指導し、2004年度にCOE特別研究生としてむかえることとなった。 ラオス政府機関の若い人材を指導し、うち一名は2004年度からアジア太平洋研究科修士課程に入学し、指導を継続することとなった。ラオス国立大学歴史学部、 社会学部のラオス人学部学生を対象に文化人類学のフィールドワークの方法論を指導し、早稲田大学学部学生との合同フィールドトレーニングを行なった。 また、地元の遺産マネージメントにあたる関係者に対して文化遺産に関する講義を実施。共同チームを組み、フィールドワークを行ない、地元の人々への遺産保護に関する教育を促した。 「いかに研究成果を地元の人々に還元するか」の試みとして、村人へのプロジェクトおよび文化遺産保護の説明と、村人の意見の聞き取りを行なった。 次世代を担う子どもたちへの教育活動として小学校建設を目指し、関係各機関、中央政府、地方政府、地元の教育委員会と折衝して、それぞれの許可を得た。


平成14年度 年間報告

○2003年1月8日-15日、国際会議『文化遺産環境の保護』においてCOE活動にいたるまでのワット・プーにおける研究成果および今後の研究方針の発表を行った。

○2003年1月28日から2月4日にかけて、ラオスへ第1次ミッションを派遣。ラオス政府関係者にCOE関連研究調査を説明、特に教育に関係する部分の重要性を強調しラオス国立大学との連携を強めることを確認した。 また、研究の分野では無形文化遺産の研究を推進するため、インフォーマントの情報収集を行った。

○3月10日から21日には、ラオスへ第2次ミッションを派遣。チャンパサック州における研究プロジェクト; 村落調査、無形文化遺産の調査、村民と文化遺産の関わりの調査を開始した。 この研究プロジェクトは大学院生の教育も兼ねており、大学院生をチーフとした早稲田大学、ラオス国立大学の学生を入れたグループ調査を実施した。

 
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